雨が降っている。
夏の雨で思い出すのは、中学生の頃、登校するときのことだ。傘をさしながら、教科書のたくさん入ったリュックを背負った背中にびっしょりと汗をかいて、制服のシャツがべったりへばりつき、それがクラスの人たちにばれるのが恥ずかしく、でもどうすることもできず、席に座り、下敷きでぱたぱたと扇ぎながら、ああもう帰りたいなあと思っていた。
そもそも学校が嫌いなのに、あの雨の日特有の、どよんとした教室。いつもより明るく感じる天井の蛍光灯の光。
ああ、気がめいってきた。まあ、続けよう。
運動神経に自信があったわたしは、バスケ部に入った。
2年生になり、副キャプテンに任命された。聞こえはいいけれど、下級生のほうが断然上手だったので、試合の時はいつもベンチを暖めていた。
たまに出番がくるけれど、いつも使い物にならず、すぐ引っ込められる。
はじめての挫折…!!
だんだん応援する気もなくなって、無言で座っていたら、試合を見に来ていた先輩にめちゃくちゃ怒られた。「一緒に戦っている気持ちがないの?!」と。
正直そんな気持ちなかったです!
わたしはダメな人間なんだ。。と思った。
今から思えばそんなにショックを受けるほどのことではないのだが、部活という組織(中学生のわたしにとっては社会的な場)の底辺にいるのだという意識がくっきりと刻み込まれた。
部活をやめて、帰宅部になり、部屋でギターを弾く毎日になった。
くやしいとかいうよりあまりにもショックだったので、毎日ギターを弾いていた。
ギターはやさしい。話を聞いてくれる楽器だと思う。
週末には京都駅に行って、路上で歌った。
外国の人から缶コヒーをもらったり、通りすがりで観てくれた人がギターケースに200円入れてくれたりとかしてた。
音楽に救われるとか、音楽に人生を変えられるとか、よくそんなことを耳にする。
たいそうな話やな。とあんまりぴんとこなかったけど。
救われてたし、今も救われてる。
2015/7/2(木)pm18:56 雨
白波多カミン