2016年さようなら
by on 12月 15, 2016 2:30 PM in DIARY

一昨日は企画ライブ「涅槃vol.5」、アナトオルフランスとの2マンだった。最高に楽しかった。
アナトオルフランスのライブがすごく良かった。今まで観た中で一番すごかった。ボーカルの尾崎くんの絶叫に似た歌声は、赤ん坊の泣き叫ぶ声のようだった。まっすぐで、迷いなんて微塵もない。
自分のライブは歌が自分を連れて行ってくれて、よい景色を見た。純粋に音楽を楽しんでできた。なんとなくこのメンバーでライブするのは最後かもしれないと思っていた。メンバーの音が全部はっきり聴こえた。メンバー同士の音が戦うのではなく、ひとつの生き物になれた気がした。わたしはフロントマンだという自覚が今までで足りなかった。
メンバーへの尊敬、愛があり、その上でフロントマンだという自覚をするという当たり前のことができていなかった。
2日前ラブジョイのライブを見たのも大きかったかもしれない。
ライブの時のお客さんへの想いも変わってきた。一番はじめ歌い始めたころは私の歌なんかだれも分からないと思っていた。とにかく衝撃を与えることを考えたり、攻撃的な気持ちであった。爆弾を落とすようなイメージで歌っていた。
それから長い時間をかけて、少しずつ気持ちが変わってきた。音楽は音楽として、歌は歌としてあり、わたしはそれらの媒介として存在したいと思った。

今年最後のライブだった。
人生最後のライブという気持ちだった。明日にはわたしはいないと思った。ライブ中きょうわたし死ぬのかなと思った。いや、死んでるのかな。何かがきっと終わると思った。やり切るということを初めて経験したのかもしれない。
実際にはライブが終わっても生き延びていたし、つぎのライブのことを考えていたけれど。

 

2016年さようなら

2014 Shirahata Kamin ©